ヒト癌抗原RCAS1による細胞周期停止の機構とその受容体の構造の解析
Project/Area Number |
13218098
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中島 学 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (50198074)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 武 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (40028684)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥6,800,000 (Direct Cost: ¥6,800,000)
Fiscal Year 2001: ¥6,800,000 (Direct Cost: ¥6,800,000)
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Keywords | 腫瘍関連抗原 / RCAS1 / 細胞死(Apoptosis) / シグナル / 細胞周期 / receptor |
Research Abstract |
(1)RCAS1タンパクを種々のヒト細胞培養系へ添加すると、細胞周期の停止とそれに伴って細胞死が誘導されることを見出し報告した。本研究ではその機構に関して以下の事が判明した。まず、RCAS1の添加後、3から5分後に約70kDa(p70/RCAS1)の大きさの分子のチロシン・リン酸化が誘導された。そのチロシン・リン酸化は15分後には消失した。このp70/RCAS1のチロシン・リン酸化の直後よりサイクリンD3の転写因子の一つであるSP1の量的な減少が始まり、3から6時間後よりサイクリンD3特異的な量的減少が誘導された。さらにRCAS1タンパク添加後12時間後以降よりRb蛋白の低リン酸化分子の量的増加が誘導された。以上の経過を経て最終的に細胞周期の停止が誘導されることが強く示唆された。また、その他の細胞周期関連分子としてp27Kip1,p16INK4A, WAF1/CIP1,CDK2,CDK4,cyclin D2,cyclin Eの量的変化を検討したが変化は認められなかった事より、細胞周期の停止はSP1の量的減少に由来するものと推測された。現在、p70/RCAS1のチロシン・リン酸化とSP1の量的減少の関連を検討するために、p70/RCAS1蛋白分子の分離および同定を免疫沈降法とマス・スペクトロメーターを用いて検討している。 (2)RCAS1レセプター分子をコードしている遺伝子の単離の試み リコンビナントRCAS1-GST蛋白をプローブとして、結合蛋白をレセプター陽性細胞であるHeLa細胞表面より免疫沈降させ、二次元電気泳動にて展開した。コントロール細胞等との比較にて、約25kDa前後に特異的なスポットを確認し、マス・スペクトロメーターにて解析したところ、最新のデータベースにおいても該当する分子を確定することができなかった。現在、このスポットをさらに分離し内部ペプチド配列の決定を試みている。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)