Na^+,K^+-ATPase阻害剤による抗癌作用機構解明とその臨床応用
Project/Area Number |
13218121
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
吉田 武美 昭和大学, 薬学部, 教授 (20138415)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡部 正彦 昭和大学, 薬学部, 助手 (90301788)
沼澤 聡 昭和大学, 薬学部, 助教授 (80180686)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
Fiscal Year 2001: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
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Keywords | 白血病細胞 / 分化誘導 / 遺伝子発現 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
生薬センソの強心ステロイド成分の一種であるブファリンは、ヒト単球性白血病THP-1細胞に対して処理すると、ERKキナーゼカスケードに依存して成熟マクロファージが産生するサイトカイン遺伝子の発現を増加させ、単球マクロファージ様細胞へと分化させることを明らかにしている。最近、p38MAPキナーゼ特異的阻害剤SB203580がブファリンによるERKの活性化やそれに伴うc-fosおよびIL-1、TNFαなどの遺伝子の発現誘導を著しく増強することを見出した。そこで本研究は、ブファリンの分化誘導シグナルにおけるp38MAPキナーゼの関連性を明らかにすることを目的として行った。THP-1細胞におけるp38MAPキナーゼの活性レベルを調べた結果、THP-1細胞ではThr180/Tyr182のリン酸化状態が恒常的に高く、ブファリン処置による顕著な変動は認められなかった。しかしながら、SB203580をブファリン添加前に処置すると、MEK、およびERKのリン酸化レベルがブファリン単独処置よりも顕著に増加した。またブファリンにより誘導されるc-fosやIL-1、TNFα遺伝子の発現もSB203580をブファリン添加前に処置したことで増強した。そこで、THP-1細胞へのSB203580単独処置効果を調べたところ、SB203580はERKカスケードを活性化したにもかかわらず、c-fosやIL-1、TNFα遺伝子発現を誘導しなかった。 以上の結果、ブファリンはERKカスケードを活性化することによりそれに伴って引き起こる遺伝子発現を介して白血病細胞の分化を誘導するが、その過程においてERKカスケードの活性化だけでは遺伝子発現に至ることが出来ず何らかのシグナルを必要としていることを示唆することが出来、そのシグナルの一つがTHP-1細胞において恒常的に活性を有しているp38MAPキナーゼを介したシグナルである可能性を示すことが出来た。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)