がん治療薬ならびに転移抑制薬となる新規ビタミンD誘導体の開発
Project/Area Number |
13218129
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
|
Research Institution | Kobe Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
中川 公恵 神戸薬科大学, 薬学部, 助手 (90309435)
|
Project Period (FY) |
2001
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
|
Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2001: ¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
|
Keywords | 活性型ビタミンD誘導体 / がん細胞 / 構造と活性 / 細胞の増殖・分化 / 遺伝子転写調節 / アポトーシス / 細胞周期 / ビタミンD受容体 |
Research Abstract |
がん治療薬として臨床応用可能な活性型ビタミンD誘導体を創製することを目標に、新規活性型ビタミンD誘導体について細胞レベルで活性スクリーニング、作用メカニズムの解明を行った。まず、現在所有する数種の活性型ビタミンD誘導体および新規に開発した誘導体を用いて活性スクリーニングを行った結果、活性型ビタミンD_3の2位にmethyl基を導入した2-methyl誘導体の側鎖に20位を異性化し、さらに22位へのmethyl基の導入あるいは24,26,27位の伸長を組み合わせたハイブリッド型誘導体が、構造特異的に強力にがん細胞の増殖を抑制し、分化を誘導することを明らかにした。また、A環1位3位水酸基の立体配置特異的にヒト前骨髄性白血病細胞をアポトーシスか分化かに区別して誘導制御できることを見いだし、アポトーシスがCaspase活性、ミトコンドリア膜電位変化を介して誘導されていることを明らかにした。さらに、10-19位のメチレンを欠失した19-nor誘導体の2位にフッ素原子を導入し、さらに側鎖22位への酸素原子の導入を行った誘導体が、カルシウム作用を示さず、がん細胞に対する増殖抑制・分化誘導作用のみを有することを明らかにした。今回の検討により、がん細胞に対する増殖抑制作用に優れた新規ビタミンD化合物とカルシウム作用に優れた新規ビタミンD化合物を見い出した。これらの新規誘導体については、ビタミンD受容体(VDR)との結合様式の差異による活性の違いが考えられたため、VDRの点変異体を作成し、リガンド構造特異的な活性発現機序の解析を行った。その結果、側鎖構造の修飾体で、天然型のものとは異なるVDR結合様式を取る可能性が示唆された。これら新規誘導体は、構造選択的にがん細胞に対する抑制効果を持つことから、がん治療薬としての有用性が高いと考えている。 このような新規活性型ビタミンD誘導体は、リガンド構造特異的に活性が発現することから、ビタミンDの多種多様な作用を構造選択的に分離できると考えられる。また、がん治療効果を評価できる動物実験系の構築もほぼ完成できており、新規ビタミンD誘導体の活性を今後in vivoで評価する予定である。
|
Report
(1 results)
Research Products
(7 results)