肝炎ウイルス感染から肝硬変・肝細胞癌への進展における修飾要因に関する分子疫学研究
Project/Area Number |
13220014
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | 佐賀医科大学 |
Principal Investigator |
田中 恵太郎 佐賀医科大学, 医学部, 教授 (50217022)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市場 正良 佐賀医科大学, 医学部, 助教授 (60184628)
檜垣 靖樹 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (10228702)
庄野 菜穂子 佐賀医科大学, 医学部, 講師 (60223674)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2001: ¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
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Keywords | 肝細胞癌 / 肝硬変 / 症例対照研究 / 遺伝子多型 / チトクロームP450 / N-アセチルトランスフェラーゼ |
Research Abstract |
本研究の目的は、薬物代謝酵素(チトクロームP450[CYP]、N-アセチルトランスフェラーゼ2[NAT2]など)・DNA修復酵素などの遺伝子多型と飲酒・喫煙などの生活習慣が相互的に肝発癌に及ぼす影響を分子疫学的手法により検討する事である。肝癌群・肝硬変群および対照群の三群を比較する症例対照研究の手法を用い、飲酒・喫煙などの生活習慣については自記式調査票と専任の調査員(看護婦)による面接により情報を得、遺伝子多型などの宿主要因と肝炎ウイルスマーカーについては対象者より同意を得て採取した静脈血(約7cc)を用いて検討した。肝癌患者(2001年以降の新患)と肝硬変患者は、佐賀医大病院と佐賀県立病院好生館の受診者より選定し、対照者は佐賀医大病院総合外来受診者(疾病は多彩であり、明らかな疾病のない者も含む)より年齢が40〜79歳の者を選定した。両病院における倫理委員会の審査承認後調査を開始し、2002年2月の時点で肝癌群47名、肝硬変群18名、対照群113名の調査を完了した。2002年1月までに収集した肝癌群41名と対照群104名について、CYP2E1、CYP1A2およびNAT2の遺伝子多型に関する予備的解析結果を示す。CYP2E1は5'flanking領域のRsal多型を検討した。野生型と変異型アリルをそれぞれc1とc2で表すと、遺伝子型c1/c1・c1/c2・c2/c2の頻度は、肝癌群でそれぞれ73%・22%・5%、対照群で63%・35%・2%であった。c2アリルを1つ以上持つ者の性・年齢補正オッズ比は0.6(95%信頼区間0.3-1.3)と有意ではないが、低下傾向が見られた。CYP1A2は5'flanking頂域のDdeI多型との関連を検討したが、変異型アリルを1つ以上持つ者の性・年齢補正オッズ比は1.0と関連を認めなかった。NAT2は、多型領域を含むコード領域をPCRにより増幅し、BamHI、Asp718、TaqIの三種類の制限酵素による切断パターンから10種の遺伝子型を決定し、それからrapid、intermediate、slowの三つの表現型を推定した。その結果、intermediate/slowのrapidに対する性・年齢補正オッズ比は1.0であり、関連は明らかでなかった。飲酒・喫煙などの環境要因と遺伝子多型の交互作用、異なる遺伝子多型間の交互作用を検討するために、今後さらに例数を増やして検討する予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)