Research Abstract |
人間と機械とが密に協調する,将来の人間支援システムにおいては,機械による人間の動作認識手法が基礎的技術の一つとして非常に重要となる.その中核には,人間動作解析技術と,人間によって行われる動作認識のモデル化が位置する.本研究では,人間の日常行動を解析するための道具立てを開発し,それにより記録・蓄積される生活行動情報に基づいて,人間による動作認識と同様の結果を出力する動作認識モデルを構築することを目指している. 本年度は,まず,多数の運動情報計測ユニットよりなる運動情報計測装置を基礎に,人の室内における日常生活データを計測・蓄積するシステムを構築した.様々な局面での適用性を鑑み,オクルージョンに影響されず安定した三次元運動情報を取得できる磁気式装置をベースとした.また,計測データはスケルトンモデルの節の位置・姿勢が時系列に記録されるだけのものなので,別に取得する対象となる人の形状データと統合し,日常生活運動計測情報として蓄積した.さらに,運動情報計測装置より得られるデータを,運動情報解析システムにより統計的に分析し,それと同時に人間が自身で動作認識をする際の状況を内省し,注目点の空間分節化記述,運動状況の変化の時間分節化記述を行った.これらに基づき,日常生活の運動計測情報を動作として記述する基礎的な計算機デスクリプションモデルを開発した.例えば,「歩く」という動作の場合は複数の注目条件について,判別基準値を設け,運動情報全体を時空間的に記述する基礎的モデルとした.
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