Research Abstract |
[研究の背景] キャンパスポータルとは,学生や教官,職員,卒業生などのその大学の関係者や地域社会に対して,教育活動や研究活動に必要なすべての情報・サービスの提供を行うWebサイト,つまり,大学版ワンストップサービスを提供すWebサイトである.各ユーザは,自分のアカウントを使用してポータルにログオンすると,ユーザ共通の情報(システム主導型情報)が表示されるだけでなく,各自が複数のチャネルからあらかじめ選択した情報(ユーザ選択型情報)が随時表示されるとともに,大学側からユーザに依存した情報(ユーザ依存型情報)を提供することもできる.講義情報については,WebCTやBlackboardなどのコース管理システムと連携することにより,予習復習だけでなく,レポートやオンライン試験実施などにシームレスにアクセスすることができる.このように,キャンパスポータルにより,教育・研究活動に必要不可欠な様々な情報リソースやサービスへの統一的なアクセス手段が提供される. [研究の目的] キャンパスポータルにより,学部や学科,講座により縦割り状態になっている大学組織に対して,組織横断的かつ統合的な情報及びサービスを提供できるため,学内組織間の相互作用が促進され,大学組織の構造変動が生じる可能性がある.本研究では,(1)学内の様々な情報リソースやサービスをキャンパスポータルに統合する際の技術的な問題点や,(2)キャンパスポータルの運用に関する政策的な課題を明らかにし,(3)キャンパスポータルを基盤とした学内コミュニティの相互作用に関する研究,(4)キャンパスポータルを通じた地域コミュニティとの相互作用に関する研究,を行う. [13年度の研究成果] キャンパスポータルを構築する際の重要なポイントは,(1)ポータルをインプリメントするためのソフトウェアの整備,および,(2)コンテンツを提供するチャネルの整備,に尽きる。(1)については,各大学でソフトウェアを共同開発し,仕様を共通化することにより負担を軽減しようという取り組みが北米のJava in Administration SIG(JA-SIG)にて行われており,本研究で使用するための情報収集および試験的なインプリメンテーションを行った.(2)については,学内関係組織と連携しながら,「名古屋大学広報」チャネル,「教務情報」チャネル,「同窓会」チャネル,「国際学術コンソーシアム」チャネル,「時事ニュース」チャネルなどの提供を行う準備中である.
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