微生物感染症における炎症と免疫反応のケモカインによる分子制御:Propionibacterium acnes誘導肉芽性肝障害モデルの解析
Project/Area Number |
13226019
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松島 綱治 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50222427)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Keywords | ケモカイン / 炎症 / 樹状細胞 |
Research Abstract |
研究目的 免疫疾患の多くはTh1/Th2バランスにより規定されるが、実際に生体内のどの部位でどのようにTh1/Th2分化が進行するのかは明らかにされていない。我々はマウスProppionibacteriumacnes(P. acnes)誘発Th1型肉芽腫形成性肝疾患モデルを用い、樹状細胞(Dendritic cell ; DC)の産生するケモカインが、肉芽形成Th1細胞の樹立過程にどのような役割を演じているか解析した。 研究成果 P. acnes投与2日目の肝リンパ節DCはCCL22/MDC及びCXCL10/IP-10を発現し、Th1未分化のメモリーT細胞に遊走活性を示したが、7日目にはIP-10を優位に発現し、よりTh1に分化した細胞とクラスターを形成していた。抗IP-10中和抗体投与により、肝リンパ節のDC-Th1細胞のクラスターが消失する一方、肝肉芽局所に増殖能・IFN-γ産生能を有するメモリーT細胞が著明に増加しており、肝障害自体の悪化を伴っていた。以上の結果より、炎症時肝内を遊走後肝リンパ節に移行したDCはT細胞とクラスターを形成するが、このクラスター内で徐々にTh1細胞が増加してくる事、ならびに、最終的な肉芽形成に関わるTh1細胞は、肝リンパ節で活性化されたメモリーT細胞が全身再循環により肉芽局所に選択的に遊走してきた細胞であり、しかもこれらのTh1細胞は肉芽内でさらなる増幅を示す事が示唆され、このようなT細胞の動態はDC由来のIP-10により調節されていると考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)