ゲノム情報に基づく耐性マラリアの新規化学療法薬の開発研究
Project/Area Number |
13226034
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
北出 幸夫 岐阜大学, 工学部, 教授 (20137061)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Keywords | ゲノム / 感染症 / 酵素 / 生理活性 / 有機化学 / 抗マラリア薬 |
Research Abstract |
既に、熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)由来の遺伝子組換えSAH hydrolaseの発現・精製に成功し、本タンパク質がSAH hydrolase酵素活性を有することを証明している[J. Biochem.,29,101-105(2000)]。炭素環ヌクレオシド誘導体である2-フルオロネプラノシンA(FNPA)が選択的にマラリア原虫SAH hydrolaseを阻害することを見出している。また、FNPAが耐性熱帯熱マラリア原虫の生育も特異的に阻害し、SAH hydrolase阻害結果と良く符合することを確認している。 本研究では、熱帯熱マラリア原虫由来の組換えSAH hydrolaseを標的酵素とする炭素環ヌクレオシド系抗マラリア薬開発を目的に研究を実施し、以下のような成果を得た。 1.現在までに得られたヒトSAH hydrolaseの活性中心に関する知見や予備的検討の結果を基に,マラリア原虫組換え型SAH hydrolaseに対して選択的阻害活性が期待される塩基部2位および8位を修飾した炭素環ヌクレオシドを分子設計・合成した。その結果、塩基部2位への化学修飾がマラリア原虫酵素に対して選択的阻害活性を小すことを確認した。 2.糖部を修飾した炭素環ヌクレオシドの分子設計・合成し、そのマラリア原虫阻害活性を検討したところ、糖部4位への化学修飾が有効であることが判った。 3.マラリア原虫組換え型SAHhydrolaseに関して、熱帯熱マラリア原虫Plasmodium falciparumのRNAを用いたRT-PCR法によるcDNAクローニング、大腸菌での発現および精製に成功した。さらに、本酵素の大量精製を行うため、ヒスチジン・タグ融合酵素の精製法も確立した。 4.この際、多くのサンプルの阻害活性を調べるため、ピトおよびマラリア遺伝子組換え酵素を用いて環境に配慮した迅速で簡便な検査システムも開発した。
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Report
(1 results)
Research Products
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