チオレドキシンシステムのプロテオーム解析による感染宿主応答分子機構の研究
Project/Area Number |
13226054
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中村 肇 京都大学, ウイルス研究所, 助教授 (70303914)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増谷 弘 京都大学, ウイルス研究所, 助手 (50252523)
淀井 淳司 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (80108993)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Keywords | チオレドキシン / プロテオーム / レドックス / ウイルス / トランスジェニックマウス / 感染 / 生体防御 / ストレス |
Research Abstract |
Human T cell leukemia virus type-I(HTLV-I)感染細胞の放出する細胞活性化因子として同定したヒトチオレドキシン(TRX)は、種々のウイルス感染により誘導される宿主細胞の感染応答分子のひとつである。TRXは抗酸化作用を示すほか、細胞内シグナル伝達を調節するレドックス制御蛋白である。本研究では、TRX過剰発現マウス(TRX-Tg)が種々の酸化ストレスに抵抗性を示すほか、influenza virus感染にも抵抗性を示すことを明らかにした。influenza virus経鼻感染モデルにおいて、対照マウスでは著明な肺炎像を示し、体重減少が見られたのに対して、TRX-Tgでは肺炎像の軽減が認められ、体重減少は認めなかった。この作用機序として、TRXによる抗酸化作用のほか、TRXが白血球の炎症部位への遊走を制御することを明らかにした。すなわち、TRXの静脈内投与あるいはTRX Tgでは、マウスair pouch modelにおけるlipopolysaccharide(LPS)による白血球の血管外漏出が抑制されることを明らかにした。さらにTRXは白血球と血管内皮細胞の接着を抑制することを明らかにした。細胞外のTRXがこのような抗炎症作用を示す機序として、TRXの標的分子が細胞表面に存在するとの仮説をたて、プロテオーム解析によりその同定を試みた。これまでに標的分子と結合しやすいC35S mutant TRXを用いて、TRXと結合する蛋白が細胞膜表面に存在することを証明した。すなわちFlowcytometerによる解析にて、C35S mutant TRXが細胞表面に結合すること、その結合はwild type TRXにより阻害されることを確認した。現在、抗TRX抗体カラムに結合する細胞膜蛋白分画を二次元電気泳動により展開し、その候補分子の同定を進めている。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)