アダプター分子tetraspaninによって誘導される細胞膜融合機構の解明
Project/Area Number |
13226061
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宮戸 健二 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (60324844)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Keywords | CD9 / 受精 / CD81 / 膜融合 |
Research Abstract |
Tetraspaninは生体内に広く存在する膜4回貫通型蛋白質で、CD9、CD37、CD53、CD63、CD81、CD82、CD151などが知られている。CD9は細胞接着分子インテグリン、膜結合型細胞増殖因子HB-EGF、プロテオグリカンなどと細胞膜上で複合体を形成し、細胞接着部位に局在することから、細胞増殖、分化、創傷治癒、免疫、止血、癌転移などの細胞接着を介した細胞増殖に関わることが考えられる。しかし、tetraspaninの生理的役割は、既知のドメイン構造を持たないことから推測することは難しく、生体内での役割もほとんど不明であった。そこで、生体内での役割を解明するため、CD9欠損マウスを作製して解析を行ったところ、受精における精子と卵の膜融合過程に、卵細胞膜上の因子としてCD9が必須であることが明らかとなった。 CD81はアミノ酸の相同性から最もCD9に類似したtetraspaninで、CD81欠損マウスもまた、欠損雌マウスでの不妊傾向を示すことを最近見い出した。そこで、受精過程について調べたところ、CD9欠損卵と同様に、CD81欠損卵もまた膜融合過程に異常を示すことが明らかとなった。 次に、マウス未成熟卵にmRNAをマイクロインジェクションにより導入し、成熟卵まで培養し、外来性の蛋白質を成熟卵において発現させる実験系を確立した。この系を用いて、CD9欠損卵にCD9及びCD81を発現させたところ、CD9では融合過程がレスキューされたものの、CD81ではレスキューされなかった。 以上のことから、卵細胞膜上においてCD9はCD81とは異なる機能をもっていることが示唆された。CD9とCD81が膜融合のどのステップに関わっているかは、現在、様々な変異体を卵で発現させることにより解析中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)