Toll様受容体刺激による樹状細胞の成熟分化機構の解明
Project/Area Number |
13226071
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
改正 恒康 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (60224325)
|
Project Period (FY) |
2001
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
|
Keywords | 遺伝子欠損マウス / 自然免疫 / 獲得免疫 / 樹状細胞 / Toll様受容体 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
TLRファミリーのシグナル伝達には、TLRの細胞質内領域に会合するアダプター分子MyD88が必須である。野生型マウス由来のマクロファージにおいては、TLR4、TLR2、TLR9を介した刺激により、転写因子NF-κB、MAPキナーゼ群が活性化される。また、同時に、TNF-αなどのサイトカインの産生が誘導される。MyD88欠損マウス由来のマクロファージにおいては、TLR2,TLR9のリガンドによるNF-κB、MAPキナーゼの活性化は全く認められず、サイトカイン産生も全く消失する。したがって、MyD88は、TLR2,TLR9シグナルに必須のシグナル伝達物質であると考えられる。しかし、MyD88欠損マクロファージのLPSによるサイトカイン産生は全く消失するが、NF-κB、MAPキナーゼの活性化は、保持されていた。このMyD88非依存性シグナル伝達経路の生物学的意義を明らかにする目的で、樹状細胞の機能を解析した。 1.正常樹状細胞は、TLR4のリガンド(LPS)により、IL-12,TNF-αなどのサイトカインを産生し、CD40など補助機能分子の発現を増強し、アロT細胞の増殖刺激活性が亢進した。一方、MyD88欠損樹状細胞は、LPS刺激により、サイトカイン産生誘導は全く認められなかったが、補助機能分子の発現、アロT細胞の増殖刺激活性の亢進はみとめられた。これらの活性は、TLR4欠損樹状細胞では、全く認められなかった。すなわち、TLR4のシグナルは、MyD88非依存性に樹状細胞の成熟分化を惹起しうることが明らかとなった。 2.TLR9を介した刺激は、LPSと同様の生物活性を示す。しかし、MyD88欠損樹状細胞は、CpG DNAによるサイトカイン産生誘導、補助機能分子の発現亢進、T細胞刺激活性の増強などすべての生物活性が欠如していた。すなわち、TLR.ファミリーのシグナルには、heterogeneityが存在することが明かとなった。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)