国際間比較からみた新規ウイルスおよびウイルス変異株の病因論の展開
Project/Area Number |
13226133
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
阿部 賢治 国立感染症研究所, 感染病理部, 主任研究官 (60130415)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Keywords | 新規ウイルス / TTV / TTVゲノタイプ / 分子疫学 / 分子系統樹 |
Research Abstract |
本研究の目的は、近年新たに登場した新規ウイルスの分子疫学、成因不明とされる疾患との関連を分子レベルで解明することである。また、既知ウイルスとその変異株の流行様式も分子レベルで解析し、病態との関連を追及した上で、その病因論の展開を試みる。この目的を達成するため、多くの発展途上国を含む世界14カ国との国際共同研究を主として進めることを特色とする。今年度は、新規ウイルスとして近年登場したTTウイルス(TTV)のウイルス学、分子疫学、地理疫学的特徴を主として解析した。日本、米国、エジプト、ネパール、ボリビア、韓国、ベトナム、ミャンマー、カンボジア、ガーナの10ケ国を対象として、TTVの分子疫学的調査を実施した。TTV DNAは、5'UTRからデザインしたプライマーを用いたPCR法にて増幅した。またORF1(N22領域)も同時にPCR法にて増幅し、塩基配列を決定した後、分子系統樹を近隣結合法にて作製し、ゲノタイプ分類を行った。その結果、各国のTTV陽性率は、N22領域の場合5-49%(平均21.7%)であったのに対し、5'UTRでは82-100%(平均87%)と非常に高率であった。特に健常者においてもその高い陽性率(82-94%)が特徴的であった。また、N22領域から得られたTTVゲノムの分子系統樹解析から、少なくとも6型からなるゲノタイプが存在した。各国におけるゲノタイプ分布をみると1型が全体の70%近くを占め、世界的にmajorなタイプであることが示された。国別における特有のTTVゲノタイプ分布は認められなかった。血液以外の感染経路を解明するため、唾液、精液、胆汁中のTTVゲノムを調べた結果、高率に陽性を示した。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)