Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
多段土壌層法を用いて我々がこれまで実現できた土壌の環境浄化機能の持続的な(1週間程度の瞬間値ではない)最大値はC : N : P=2400:240:30t/ha/y(660:66:8g/m^2/日)であり、さらなる改良により極限値はC : N: P=4000:400:40t/ha/y程度は可能と推定される。茶園や野菜園等、すでに環境問題を引き起こしている循環速度の100倍以上の極限浄化速度が推定される。土壌による有機性物質の分解と浄化の場は多様な物理的構造と孔隙分布及び多様な化学的性質を持つ土壌団粒の内外にある。多段土壌層法では、この団粒の発達程度の異なる土壌の利用に通気条件を組み合わせると、外表面通気-未通気系(単粒の粘土やシルトや砂等が多い団粒未発達のマサ土等)、内表面通気-未通気系(黒ボク等の団粒が発達)等、多様な好気嫌気条件を生み出せる。又、団粒の親水性と疎水性は腐植物質の質と量、粉末木炭や活性炭の添加等で制御できる。かくして極めて多様な物理化学性を持つ団粒の場(微生物コンソーシアの活動する場)を作り出すことができる。このため、難分解性の農薬や環境ホルモンやテトラクロロエチレン等の分解機能を向上させることもできる。結論(1)土壌の分解浄化機能の極限値は生物生産(支持)機能に比べて、何故このように格段に大きいのであろうか?その機構を解明するには土壌団粒の物理性と化学性を生物性と関連づけて理解する必要があることは明らかである。(2)その生態学的意義は何か?生産に比べて、浄化分解機能に余裕があることは生態学的にどのような意義があるのであろうか?(3)今後は多段土壌層法で上記のような極限値を示す条件下での優先的微生物群集をFISH法とPCR-DGGE法により同定する予定であり、そのための予備的検討を行った。
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