カプサイシン回腸内投与の消化管運動抑制効果を応用した大腸全摘後難治性下痢の治療
Project/Area Number |
13671274
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Digestive surgery
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
内藤 広郎 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (90180223)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福島 浩平 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (20271900)
舟山 裕士 東北大学, 医学部附属病院, 講師 (50192315)
佐々木 巌 (佐々木 巖) 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60125557)
柴田 近 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (30270804)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | カプサイシン / 消化管運動抑制 / 消化管運動 |
Research Abstract |
唐辛子の辛みの主成分であり、知覚神経末端の刺激作用を有するcapsaicinを回腸内に投与した際の消化管運動に対する効果についてイヌを用いて検討した。消化管輪状筋収縮測定用のstrain gauge force transducerを消化管8カ所に縫着したイヌを用いて消化管運動を意識下で測定した。回腸内capsaicin投与は、空腹期の上部消化管運動、および食後期の胃・小腸・近位結腸運動を用量依存性に抑制した。capsaicinによる空腹期の上部消化管運動抑制はnitric oxide合成酵素阻害剤により減弱した。一方、capsaicinによる食後期運動の抑制は上部消化管において、opiate受容体拮抗剤、セロトニン3受容体拮抗剤、nitric oxide合成酵素阻害剤により、近位結腸ではopiate受容体拮抗剤、neurokinin 1受容体拮抗剤により、減弱した。外来性神経の保たれた回腸Thiry loop内へのcapsaicin投与では、空腹期、食後期共に消化管運動抑制効果が認められたが、外来性神経の切離された回腸Thiry loop内へのcapsaicin投与ではこのような抑制効果が認められなかった。これらの結果は、capsaicinによる回腸粘膜知覚神経刺激が外来神経を介して消化管運動を抑制するが、この抑制反応には、opiate受容体、セロトニン3受容体、neurokinin 1受容体、nitric oxideが関与していることを示している。このcapsaicinの消化管運動抑制効果は下痢の改善につながりうることから、capsaicinあるいはcapsaicin様物質の坐剤が開発出来れば、大腸全摘後の難治性下痢の新たな治療法になる可能性がある。今回のわれわれの研究は回腸粘膜知覚神経と消化管運動機能制御の関わりを示唆する重要な新知見であり、Intraileal capsaicin inhibits interdigestive and postprandial gastrointestinal contractions via an extrinsic neural reflex in conscious dogsと題して当該領域の一流誌であるGastroenterologyに掲載予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)