Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2003: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2002: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
今年度は、口腔粘膜疾患を有しない健常者を対象に金属補綴修復物の装着者(群)と非装着者(群)の口腔粘膜の分析を行っている。今回、われわれが歯科用合金として着目したHg, Cu, Au, Sn, Pt, Mn, Zn, Ni, Pd, Co, Cr, Cdの12種類の元素のうち、Ptを除く11種類の元素を検出している。これら11種類の元素について、装着群と非装着群の比較を行った。装着群からは、11種類の元素が検出されたが、非装着群からは、さらにPdとCdが検出されずHg, Cu, Au, Sn, Mn, Zn, Ni, Co, Crの9種類の元素の検出であった。すなわち、Ptは両群から検出されず、PdとCdにおいては装着群のみからの検出であった。現在、検体数が少ないためもあるが、両群からの検出元素において有意な差はみられていない。また、検出率においても有意な差はみられていない。今後、さらに検体数を増やし、より精度の高い比較をしたうえで検討を行う予定である。 口腔粘膜疾患のなかには、口唇炎、口内炎、舌炎、口腔扁平苔癬、掌蹠膿庖症など、金属元素との関連性が推察されている疾患がある。これらは、外来からのさまざまな元素や歯科用合金からの溶出元素が、何らかのかたちで口腔粘膜に取り込まれ、生体内タンパク質と結合し抗原性を示すものと考えられている。しかし、多くの口腔粘膜疾患は、原因が不明なために対処療法に甘んじているのが現状である。よって、口腔粘膜の金属補綴修復物の装着群と非装着群についての含有元素を解析することは意義があるものと思われる。今後は、金属元素が原因と考えられているアレルギー性疾患や腫瘍などの病変部との比較検討を予定している。 本年度までの結果の一部は、第56回日本口腔科学会総会(平成14年5月)において発表した。
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