Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
前年度は,(1)顔とそれ以外の対象の認識メカニズムが独立のものであるかどうかを検討し,ワーキングメモリ課題下で,顔,対象物,文字刺激を用いて比較検討した結果,顔に特異的なワーキングメモリがあることが示唆された.次に,(2)顔は状況や文脈の変化に応じて,顔に関する情報の選択や操作・処理などがなされているのかどうかを検討した結果,我々が顔を知覚する際,目の大きさと表情間の関係に関する一般的知識を用いて処理していることを示しており,この知識の使用は,顔の情報処理に特有のものであることが示唆された.これらの結果をまとめたものを,学術雑誌に投稿した. 本年度は,(3)顔と体の向きという変数を設定し,状況や文脈の変化に応じて顔の選択や処理がなされているのかどうかを検討した.その結果,顔と体の向きが一致しているときよりも不一致の方がより選択されて(注意されやすい)処理されやすいことがわかった.さらに,これらの現象が人間に特有のものかどうかを検討するため,動物,人工物刺激を用いて比較検討した.その結果,人間だけではなく,動物にも同様の現象が認められ,ワーキングメモリと注意の関係が示唆された.この結果をまとめたものを本年度国際学会で発表し,現在投稿中である.次に,(4)記憶が魅力度に影響を与えているかどうかを検討するため,提示時間変数を設けて,魅力度評定を課した.その結果,従来の単純接触効果とは逆の効果が見られ,短時間提示の方がより魅力度の評定値が高いという結果が得られた.この現象は,人は接触したことに関する顕在的な記憶がなくても,瞬時にその個人の基準と照らし合わせて魅力度を評定していることを示唆している.これらのことから,対人コミュニケーションにおいては,「顔」という視覚パターンだけではなく,非言語情報である表情や視線,姿勢なども重要な信号であることが示された.
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