リズム行動と音楽情動喚起の関係に関する計算論的モデルの構築
Project/Area Number |
13710037
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
実験系心理学
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Research Institution | Hokusei Gakuen University |
Principal Investigator |
後藤 靖宏 北星学園大学, 文学部, 講師 (30326532)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | リズム行動 / 潜在記憶 / 計算論的モデル化 / 音楽による情動喚起 / コンピュータシミュレーション / 計算論的モデル / リズムの潜在記憶 / 知覚的プライミング / 音楽による"癒し感"の因子構造 / 情動喚起と生理的指標 |
Research Abstract |
1.音楽リズムの潜在記憶に関する実験研究 音楽のリズム(より厳密には"拍節構造(metrical structure)")を知覚する際に、潜在記憶の処理が関与している可能性を実験的に証明した。前年度までに、音価(note value)と、音高(pitch height)および音色(timbre)との関係から音楽リズムの潜在記憶の存在を示し、本年度はさらに、音列の"拍節性"の観点から実験を行った。実験変数として、1.音列の拍節性(拍節音列vs. ランダム音列)、2.学習時の処理の様相(全体的処理vs. 部分的処理)の2つを操作し、潜在記憶実験を行った結果、(1)拍節音列の場合:知覚時に全体的処理を行った場合には潜在記憶が確認されたが、部分的処理を行った場合には確認されなかった。(2)ランダム音列の場合:学習時の処理の違いにかかわらず、潜在記憶は確認されなかった。 以上のことから、音楽のリズム的処理には、その音列を構成する音の物理的特徴(音価、音高および音色)に加え、拍節性という心理的特徴も関与している可能性が示唆された。 2.音楽リズム知覚過程に関する計算論的モデル化 実験結果を踏まえて、人間が音楽のリズムを知覚する過程に関する計算論的なモデルを提案した。このモデルは、自身で構築した「メトリカルユニット階層化モデル」を土台にして、計算機上に実装したものである。従前のモデルでは、相対的に音価の大きな音に対して"過敏"であることにより予測力が低下していたが、本モデルでは、人間が知覚する拍の実時間的制約を設けることにより、予測精度を上げることになった。 本モデルではさらに、音楽による情動喚起を、リズム知覚過程と関連づけることにより、「快」「不快」等の情動を明示的に出力できるモジュールをも組み込んだ。シミュレーション結果と心理学的実験結果との突き合わせを行った結果、大枠では人間の情動を予測できていたが、いくつかの点で問題が残った(ex. シンコペーションや変拍子に観察される情動変化を説明しきれていない点)。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)