Project/Area Number |
13710134
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
社会学(含社会福祉関係)
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Research Institution | Kinjo Gakuin University (2002) Soai University (2001) |
Principal Investigator |
大山 小夜 金城学院大学, 人間科学部, 講師 (10330333)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | アノミー論 / 多重債務者 / 事例研究 / 専門職の介入 / 企業逸脱 / 参与観察 / 自助グループ / 階層間格差 / 多重債務 / 破産 / 紛争 / 消費者取引 / インタビュー / 生活史 |
Research Abstract |
研究内容は次のとおりである。一定量の補足的データの収集・考察後、すみやかに発表する予定である。 1.マートンによるアノミー論とその後の新しい議論に関する諸成果を重点的に渉猟し、主要な論点を洗い出した。その結果、「多重債務化の押し出し要因を直接・間接金融への接近可能性の階層間格差にみる視点」「企業逸脱の押し出し要因を業界内の激しい競争という構造的緊張にみる視点」を得た。 2.「専門職介入」という点から、昨年度扱った紛争解決過程に関する多重債務者事例を再解釈した。多重債務者の債務状況は、一般に、時間が経つほど悪化するため、介入は早いほど望ましい。だが、早期段階では、消費者は業者に対して親密な感情を抱いていることが多く、問題の根本的解決に必要な認識転換を促すのは難しい。消費者問題の法律誌には、専門職介入は、法的処理に先立って消費者の目下の認識段階を把握することの重要性と認識段階に応じた支援の必要性を論じた。 3.ある都道府県司法書士会全会員を対象に、多重債務の法的処理に関する実態調査を実施した。具体的な分析は次年度にもちこされる。 4.自助グループへの参与観察を昨年度に引き続き行った。多重債務者の増加によって相談対応に十分な専門職数を常時確保することは難しくなるだけでなく、簡裁代理権取得のための度重なる研修参加は事実上司法書士による当該団体への支援機会を奪う。その一方、専門職介入が立ち遅れているヤミ金問題の急増は、自助グループ内での当事者間の相互支援をもたらす。こうして、当該団体は、司法書士を弁護士同様、問題時に支援してもらう「裏方」と位置づけ、普段は当事者のみが参加するという文字通りの「自助」形態に移行しつつある。多重債務問題の増大・複雑化とそれへの対処がもたらす意図せざる結果として、当事者同士によるエンパワーメントが展開しつつある興味深い事例であり、今後も追跡調査する。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)