Project/Area Number |
13710206
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Japanese history
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Research Institution | National Research Institute Cultural Properties, Nara |
Principal Investigator |
山下 信一郎 奈良文化財研究所, 研究員 (80290930)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2002: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 木簡 / 出土文字 / 書風 / 藤原宮 / 藤原京 |
Research Abstract |
本年度は、古代文字史料に関する書風・書体の研究史の整理を行い、7世紀木簡文字集成を行なうことを目標として掲げた。調査はこれに沿って実施したが、特に後者の基礎的研究により重点を置いた。対象として計画段階では飛鳥藤原地域で出土する7世紀〜8世紀初頭の木簡(藤原宮跡・飛鳥京跡、飛鳥池遺跡など)及び、日本各地域で出している7世紀代の木簡、同時期に属する墨書土器や金石文史料などとしたが、実施段階においては、藤原宮段階の典型的なあり方を示すと考えられる木簡をまず検討して、研究の定点をおくべきと判断したので、藤原宮出土木簡については奈良文化財研究所編『藤原宮木簡一』所収のものを、藤原京出土木簡については、2001年度に奈良文化財研究所の調査で出土した木簡(木簡は大宝初年の一括資料である)を、それぞれ対象としてその資料収集を行なった。 その結果、大宝初年前後(7世紀末〜8世紀初頭)の藤原宮の時期における都での書風の基本的あり方について、大雑把ながら整理することができた。すなわち、2001年度出土の藤原京木簡は、「御名部内親王」木簡のように8世紀的な端正な書体のものもある一方、「石川宮」木簡のように朴訥な線書きの書風もあって、前代の遺風とも田舎的書きぶりとも評価できるものもあり、藤原宮段階の、都での、官人社会にかぎっても、多様な書風を考慮すべきことがわかった。
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