宋〜明代の裁判における法治主義的傾向の時期的・地域的差異に関する研究
Project/Area Number |
13710212
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Asian history
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
青木 敦 大阪大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (90272492)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 中国 / 江西 / 訴訟 / 裁判 / ジェンダー / 宋 / 地域 / 法治 / 長江 / 財産権 / 法治主義 / 人治主義 / 法制 / 宋代 |
Research Abstract |
科学研究費助成を受けつつ進められてきた、「法治と人治」を意識した裁判についての申請者の過去(H10〜11)の研究計画の延長として、本研究では宋〜明という時期において、裁判の地域差と時期差の解明が目指された。この分野は、,日本が世界のトップを行く分野であるが、結果として、当初の計画通り、特に近年激しく論争が戦わされている南宋女子分法の再検討などを通じて、所期の研究成果は十分に達成できたと言っていい。具体的には、10〜14世紀長江中流域においては、これまで情理がことのほか重視されてきた前近代中国の裁判の伝統にあっては、非常に法律を重視するものであり、かつ南唐・宋朝は、非常に詳細且つ具体的な立法を行ってきた。一方、この地域は当時開発ブームにあり、江西の一部、湖北湖南のかなりの部分は、渓〓蕃などと称される非漢族エスニックグループが多く存在していた。こうした社会と法との関係において、女子分法は、あり得べき(陰陽の影響が考えられ、次に非漢族の慣習が考えられる)慣習が法に反映されざるを得なかった結果であったとしか、現在では考えようがないという結論に至った。これらの成果は、3つの日本語論文および書評、2つの英文論文によって公表した。なお、この間、幸いにも台湾国家図書館漢学研究中心において行われた国際会議に招待され、海外の同分野の研究者の意見に接する機会に恵まれ、その際の非漢族研究に関するやりとりがその後の研究にも活かされた。だが、我が国における本分野の研究が世界のトップの座を維持し続けるためには、この研究テーマには、まだ宋の法律の全体構造、宗族の機能など、解明されなければならない問題が残っている。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)