Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
本研究では、トピック(主題)が,日独双方のテクストにおいてどのようにコード化され,展開されているかについての研究を行った. その際,それぞれの言語の文の構造記述をトピック(主題)という観点から捉え直すという作業が出発点となった.従来の研究において,文構造の記述は,ほとんど全ての言語理論において多かれ少なかれ主語-述語構造をその基礎として想定され,様々な文法現象はこの構造のうちに説明されているが,本研究では,「テクストから見た文」という観点から文を捉えなおし,文の産出のプロセスとしての主題の役割を重視したのである.この結果,日独双方のトピック現象を統一的に捉えなおす手段として,「トピックのマージ(融合)による文の生成」という文モデルがされた.トピックを文中の特定の要素(動詞によって選択制限を受けた要素)からの取り出しによって派生するという従来的な考え方から,先行文脈,場面文脈などの文の外から与えられているものと想定したのである. 引き続き,この文モデルに従って,日本語,ドイツ語のテクスト構成を見直す作業が行われた.その結果,日本語,ドイツ語で相異なるテクスト構成ストラテジーが確認され,その記述が試みられた. 本研究の成果は,平成13年度,平成14年度にわたり日本およびヨーロッパにおいて研究発表され,学術論文の形でまとめられた.これらを通してなされた議論を踏まえて,現在,より改善された「テクストという枠組みで産出される文」のモデルについての研究を行っている.
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