出来事の記述における虚構的性格の研究―M・フリッシュの未公刊資料を手がかりにして
Project/Area Number |
13710296
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
独語・独文学
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
葉柳 和則 長崎大学, 環境科学部, 助教授 (70332856)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | マックス・フリッシュ / 物語論 / 学際研究 / 語彙索引 / 歴史記述 / パーソナルドキュメント |
Research Abstract |
今年度の研究計画にあったのは、1.収集した資料のテクストデータベースに基づいて語彙索引を作成すること、2.資料分析の成果を人文・社会科学における出来事の記述の理論の布置の中に位置づけること、3.研究成果を学会で発表し、また学術誌に投稿すること、4.研究成果を元にした書物の出版計画を具体的に立てること、であった。 1.語彙索引はフリッシュの著作に関しては完成し、電子ファイルおよび簡易製本の小冊子を作成した。 2.平成14年3月末に長崎少年鑑別所主催の講演会において「出来事はいかにして言葉へともたらされるのか -人文・社会科学の横断的再検討-」という2時間余りの講演を行い、基本的構想を明らかにした。また、3.においても研究の学際的な位置づけを行った。 3.裏面に記す雑誌論文一編の他、日本独文学会秋期研究発表会において、「ほら吹きの論理 -シュティラーの手記にみる現実否定をめぐって-」という口頭発表を行った。 4.現時点での研究の進展状況および見通しからして、マックス・フリッシュについての徹底したモノグラフと、そこでの知見を学際的に位置づける書物の二冊を執筆する準備をしている。すなわち、4-1.マックス・フリッシュの未公刊資料の実証的分析を土台にした研究を大阪大学大学院文学研究科に提出し、しかる後に出版する。同研究科に出向き、研究計画をプレゼンテーションし、執筆の許可を得た段階である。4-2.人文・社会科学における出来事の記述の理論と方法に関して、2.の講演原稿を土台にしながら出版社と交渉している段階である。本年度いずれの執筆を優先的に行うかは、本年度の科学研究費の採択結果を見て考える予定である。採択された場合には、4-2.を優先し、4-1はスイスでの現地調査によって資料的な完全性を高めた上で執筆することになる。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)