Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
本研究の目的は,独話における談話構造と韻律特徴との関係を,実データにもとづき定量的に分析することで,韻律特徴の持つ談話構造に関する情報伝達能力(予測力)を解明することである. 13年度に,音声データ(20〜30歳代男女5名ずつ)の収録を行ない,談話構造ラベリングと韻律ラベリングを行なった.14年度は,このデータに基づき,(1)談話境界位置のポーズ長,(2)談話境界前後の音節の時間長,(3)談話境界前後のアクセント位置のFO値,(4)談話境界前後の句末境界音調,(5)談話境界前後の韻律句の切れ目の強さ,の5つの韻律情報を抽出し,談話構造との関係を調べた.分析の結果,各韻律特徴に関して以下の点が明らかになった. ポーズ長:談話境界位置のポーズが他の位置に比べて長い. 談話境界位置では,談話の内容的な切れ目の程度が強い程,ポーズが長くなる. 音節長:談話境界直前の音節が他の位置の音節に比べて長い. 談話境界直前では,談話の内容的な切れ目の程度が強い程,音節長が短くなる. FO値:談話境界をはさんでピッチは上昇するのに対し,境界の直前・直後ではそれぞれ下降. 談話境界位置では,談話の内容的な切れ目の程度が強い程,ピッチの上昇率が大きくなる. 境界音調:談話境界直前では,談話の内容的な切れ目の程度が強い程,単純下降音調が増加. 韻律句:談話境界直前では,談話の内容的な切れ目の程度が強い程,強い韻律句境界が多く出現. 以上の結果は,今回対象とした韻律特徴がいずれも,談話境界位置および談話境界の内容的な切れ目の強さに関する情報伝達能力を有することを示唆するものと言える.
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