フランス・アンシャン・レジーム期パルルマンの王令登録権に関する実証的検討
Project/Area Number |
13720004
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Fundamental law
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
松本 英実 新潟大学, 法学部, 助教授 (50303102)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | フランス / アンシャン・レジーム / パルルマン / 王令登録 / 規範構造 / 一般的規範 / 商事裁判所 / 裁判制度 / フランス法 / 王令登録権 / 絶対主義 / フランス国制史 |
Research Abstract |
フランス・アンシャン・レジーム期のパルルマンによる王令登録権について、商事裁判所(juridiction consulaire)設立王令を素材として具体的な登録の事例収集を行い、その経緯についてのケーススタディを通して登録権を王国の規範定立・調整構造の枠組みの中に位置付ける理論化を行った。 パルルマンの登録が必ずしも決定打とはならず、下級裁判所レヴェルで王令登録が問われる、すなわち地域を小規模に限定して登録問題が蒸し返される事実を実証した上で、以下のような整理を経て、王令登録が規範の一般性に対して有する意味を明らかにした。 1:王令登録は最初に行われる主たる登録以外は系統的には行われないこと。 2:登録が行われるにあたっては、関係者の対審が行われ、その討議、承認をふまえて、登録を行う裁判所管轄内で有効な規範たりうるよう修正・調整が行われうる。 3:1と2の結果、登録の対象となる規範はより確実な効力をもつと同時に、全体的に見れば規範の統一性が失われる危険を常に伴う。(但し一般化に向かう契機もここにある。) このように当時の王令の効力は時間・空間・内容の面で不安定であり、登録はこの不安定を来す原因ともなりながら、承認を通して一定の安定を調達する仕掛けでもあった。 以上の研究の成果について、本年度6月の時点でフランス語論文《La juridiction consulaire dans la justice de l'Ancien Regime. Rivalit es et conflits avec les autres juridictions》の中にまとめ、パリ第二大学で発表しフランス人専門家の意見を問うた。また3月29日には日仏法学会で発表を行い、これをもとに学会誌で公表する予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)