Project/Area Number |
13720024
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Civil law
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高橋 美加 北海道大学, 大学院・法学研究科, 助教授 (70292810)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2002: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2001: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 権限委譲 / 取締役 / 取締役会 / 委員会等設置会社 / エージェンシー / 経営責任 / 機関責任 / 商業使用人 / 包括的代理権 / 執行役員 / 経営管理契約 |
Research Abstract |
平成14年商法改正によって、会社の機関は選択的に委員会等設置会社が設けられた。新制度の構造であれば、会社法上の機関としての取締役会の性格はより経営者としての性格を失うことになる。歴史的発展の経緯から見ても、法が予定する「取締役」は、株主から委任を受けて会社の維持・運営に責任を持つものであって、経営を自己執行することまでは本来的に含まれていない。その意味からすれば、取締役会の決議事項を法定して、何を取締役会および取締役が自己執行しなければならないか、という点を法が押しつける根拠は見いだすことができない。 しかし「取締役」を責任のみの担い手とするならば、経営陣の中に責任だけを負うスケープゴートを作るだけであって、経営の執行と責任とが対応していなければ、エージェンシー・コストが高くなるだけである。責任と権限の問題は、そのまま権限委譲の形態の問題と直結する。すなわち、権限委譲には対外的な責任についても含めてすべての決定権限を授権するもの(代理権型)と、対外的な責任は上位の者に残したまま、情報の偏在や分業等の理由で下位に委譲される形式のもの(使者型)とに分類される。会社内部の授権システムでは基本的に後者の形が多用されており、それぞれ権限には「権威」となる源泉があり、会社の組織の形にもよるが、この者が株主に対して経営責任を負うべきであろう。 問題は、以上の経営責任を、取締役として株主から任用を受けたという「機関責任」と見ていたことに起因する。しかし実態としては「機関責任」のドグマにこだわる必要はなく、株主および株主総会との権限分配から得られた取締役および経営陣の権限に即した責任を問えばよいのであり、それにより柔軟な解決が可能であると思われる。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)