日本における税制改革の税収と構造的財政赤字に対する影響について
Project/Area Number |
13730072
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Public finance/Monetary economics
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Research Institution | Osaka University of Economics |
Principal Investigator |
前川 聡子 大阪経済大学, 経済学部, 専任講師 (40330120)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2001: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 財政赤字 / コーホート分析 / 世代会計 / 税制改革 / 所得税 / 租税支出(Tax Expenditure) / 実証分析 |
Research Abstract |
(1)問題意識 現在、日本の財政は膨大な累積債務を抱えており、その解消に向けた方策を打ち出すことは重要な政策課題の1つとなっている。累積債務を解消するということは、最終的には現在および過去の歳出分を将来世代の負担で賄うことを意味する。そのため、財政赤字を考える際にはとりわけ世代間で負担の不公平が問題となる。世代間での不公平をできる限り小さくしながら財政赤字の問題を解決するためには、まず現時点でどの程度の世代間格差が生じているのかを明らかにする必要がある。そこで、平成14年度においては、日本における世代別の生涯にわたる公的負担と公的受益の流列を推計した。なお、負担だけでなく公的受益も取り上げたのは、負担と受益のバランスも世代間の公平性の観点から問題になると考えたからである。 (2)分析手法 ライフサイクルモデルに基づいた家計を想定した上で、『家計調査』の勤労者世帯・世帯主年齢階級別のデータから作成したコーホート・データを利用して、各世代のライフサイクルの公的負担を計測。受益についてはSNA等のマクロデータを1人あたりに換算した。 (3)研究結果 1.ライフサイクルの負担を見ると、どの世代も年を経るにつれて負担は上昇し、壮年期(40〜50歳)で最も高くなる。各世代を一生涯全体での負担額の合計(割引現在価値)で比較すると、1980〜1990年代に壮年期を迎えた1950年生まれの世代が最も高い負担合計額であった。 2.受益についても、早い世代ほど、手厚い社会保障のおかげで大きな受益を受けていることがあきらかとなった。遅い世代では、負担超過になっている世代もある。 財政赤字を解消し、世代間の不公平を解消するためには、公的負担のライフサイクルでの平準化と社会保障も含めた歳出抑制の改革が必要である。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)