Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
本年度の研究目的は,「制約理論(TOC)における制約管理のプロセスとスループット会計」(日本会計研究学会第60回全国大会-平成13年9月22日大阪学院大学-)を敷衍し,スループット会計の利益管理システムとしての有効性について理論的検討を加え,当該会計を中心とする戦略的コストマネジメント・モデルを提示することであった。 TOCは,1990年代後半以降,研究者の間で注目を集め,当初は,TOCの内容,TOCとスループット会計との関係,活動基準原価計算(ABC)との比較,スループット会計の計算構造に関する研究が中心的テーマであった。近年では,スループット会計がTOCにリンクすることが自明であるという前提のもとに,戦略的コストマネジメントにおけるTOCの適用可能性,他の原価計算技法との統合可能性等の問題へと関心が移行している。本研究も最近の動向を踏まえ,TOCとスループット会計の戦略的コストマネジメントにおける有効性の包括的な検討を試みた。とりわけスループット会計の計算構造の理論的性格は,「制約管理のプロセス」との関係において解明されるものであり,TOCにリンクするスループット会計の特質とその理論的意義に関して筆者なりの見解を明らかにするという目的については,概ね達成されたと思われる。その成果は,「制約理論(TOC)における在庫概念の検討」(『大阪商業大学論集』第127号),並びに「制約理論(TOC)にリンクするスループット会計の制約管理における有効性の検討」(『大阪経大論集』第53巻第4号)として発表した。TOCの戦略的コストマネジメントにおける位置づけを明確にし,一つの会計モデルを提示することについては,スループット会計の考え方が広く原価会計および管理会計の枠組みの中でどのような形で維持され続けていくのか,その可能性を明らかにする必要があるので,この点については残された課題として検討していく予定である。
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