Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
力学系が可積分であるということは、数学的に定義されたものではなく、いろいろな考え方によって判定基準のようなものがある。解の、積分定数に依存して動く特異点が、極のみであるという性質をパンルヴェ性といい、これが可積分であるということの判定条件とされることが多いが、ある系がパンルヴェ性をもつことを示すことは一般には難しい。そこで解が級数でかけることを仮定して、その状況からこれを判定するということが古くから行われていて、これをパンルヴェ・テストという。このテストにとおらないものは、パンルヴェ性の意味で可積分でないということは正しく思われるが、この逆は、多くの場面で可積分であることの証拠のように扱れてるにもかかわらず、正しい命題ではないと考えた。今回の研究で、この反例、つまり、パンルヴェ・テストに通り、かつ、パンルヴェ性をもたない系を構成することができた。(論文準備中)他に平成13年度すでに得ている4件の結果、(ア)Garnier系のq-差分化、(イ)E_8^<(1)>型対称性をもつ離散パンルヴェ系の特殊解(村田、米田両氏との共同研究)、(ウ)パンルヴェ微分方程式の折りたたみ変換(津田、岡本両氏との共同研究)、(エ)パンルヴェIII型方程式の研究(大山、岡本、川向各氏との共同)は現在、(イ)のみ出版され、他については論文を準備中。早々に出版したいと考えている。
All Other
All Publications (1 results)