Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
等速成長効果のある平均曲率流方程式においてV字型進行曲面波の安定性について得られた結果を報告いたします.方程式υ=H+kを全平面R^2で考える.ここで,υは曲面の法線方向の速度を表し,Hは曲率を表し,kは与えられた正の定数で,等速成長効果を表す.曲面がy=u(x, t)とグラフで表される場合に方程式はu_t=(1+u^2_x)^<-1>u_<xx>+k(1+u^2_x)^<1/2>となる.任意のc∈(k,+∞)に対しcを速度とするV字型進行曲面波とよばれる進行波のワンパラメータ族が存在することが従来より知られていた.この進行曲面波がどのような与えられた摂動(擾乱)に対し,漸近安定であるか,またそうでないかについて次の結果が得られた.比較定理により摂動が増大しないという意味での安定性については直ちにしたがう.摂動が時間とともに減衰するのかという漸近安定性については未知であった.本研究では,優解と劣解を構成することにより,与えられた摂動が遠方で減衰する場合に対して,V字型進行曲面波の漸近安定性を証明した.この優解は任意に大きく,また劣解は任意に小さくとることができるので,空間大域的に漸近安定であることがわかる.すなわち,どのような大きい摂動であってもそれが遠方で減衰するならば,V字型進行曲面波は元の形に復元される.また,与えられた摂動が減衰しない場合においては,適当な比較関数を構成することにより,漸近安定でない例を構成した. この結果は,学術雑誌Methods and Applications of Analysisにおいて発表いたしました.
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