Project/Area Number |
13740237
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物性一般(含基礎論)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
押川 正毅 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (50262043)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 量子ダイナミクス / Drude重み / トポロジカル量子化 / 反強磁性秩序 / d波超伝導 / 量子細線 / 境界のある共形場理論 / ESR / 量子スピン系 / 強相関電子系 / スピン電荷分離 / ゲージ理論 |
Research Abstract |
系の伝導特性は、ダイナミクスを反映する重要な指標である。特に、絶対零度で系が導体であるか絶縁体であるかは物質の分類の基本となる。一般にどのような条件で系が導体あるいは絶縁体になるかを理解することは物性物理の基本問題の一つである。周期的な格子上の多粒子系については、粒子密度(単位胞あたりの粒子数)が系の伝導特性を決定する重要な要因になることは直観的にも理解できる。すなわち、粒子密度が整数であれば粒子が格子に固定されて絶縁体になる可能性があるが、粒子密度が非整数の場合は粒子がキャリアとして動くので導体になることが期待される。ただし、後者の場合も粒子密度が簡単な有理数であれば自発的に並進対称性を破るなどの機構によって絶縁体になる場合もある。しかし、強い相互作用の存在する系では、直観的な理解が必ずしも通用しないため、系の伝導特性と粒子密度についての一般的な関係を考察した。Lieb-Schultz-Mattisの議論と、Aharanov-Bohm磁束に対する系の応答を併せて考察することにより、次のような結論を得た。粒子密度をp/q(p, qは互いに素である整数)とすると、1次元系で絶縁体になる場合はサイズLの系のエネルギースペクトルには基底状態も含めてq個の低エネルギー状態が存在し、これらの間のエネルギー差はLの大きい極限で1/Lより速くゼロに収束する。2次元系でも同様に絶縁体であればq個の低エネルギー状態が存在し、それらの間のエネルギー差は系のサイズの大きい極限でゼロに収束する。これらの結果は一般的であるだけでなく、物性物理におけるいくつかの基本概念の関連を明らかにするものである。 以上の研究の他、t-Jモデルに交替磁場を印加すると反強磁性長距離秩序が誘起されるが、同時にd波超伝導も促進されることを数値的に見出した。また、3本以上の量子細線の接合部における電気伝導について共形場理論の境界条件の見地から研究を進めた。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)