Project/Area Number |
13740294
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Geology
|
Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
坂口 有人 高知大学, 理学部, 助手 (80304666)
|
Project Period (FY) |
2001
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
|
Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
|
Keywords | 付加体 / 断層 / 構造 |
Research Abstract |
南海大地震に代表される海溝付加体中で発生する巨大地震の震源過程を理解するために、過去の震源領域が露出していると考えられている、四万十帯興津メランジュに産する断層岩の構造解析を行なった。断層岩の発達過程を明らかにするために断層帯を横断するように大型試料を採取し、スラブ片および薄片にして構造解析を行なった。その結果次のようなことがわかった。 1)断層岩は幅3〜5mの間にのみ分布しており、変形作用は非常に局所的にしか及んでいない。 2)断層帯は圧力溶解変形とシュードタキライトが卓越しており、高速破壊とクリープ変形が交互に生じた。 3)断層帯の上盤側の境界の漸移帯には破砕作用を被っているが、圧力溶解変形は存在しない。 こういった変形構造は地震サイクルにおける、地震時における高速剪断作用と地震準備過程におけるごく緩やかなクリープ変形に対応できるのではないかと解釈される。一般に摩擦溶融によるシュードタキライトが形成されるような高速剪断作用は歪み軟化を伴うので変形が局所化するのは理解され易い。一方の圧力溶解によるクリープ変形は変形作用が拡散していくのが妥当であろう。しかし本研究のように局所化するためには、圧力溶解作用を支配する流体移動等の作用が断層境界で規制されているためと考えられ、これこそが地震準備過程を理解する上での鍵となろうことがわかった。
|