ドラム型試料固定装置を用いた、不揮発性高分子試料の気相分光
Project/Area Number |
13740337
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
井口 佳哉 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (30311187)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2002: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 飛行時間型質量分析計 / クラスター / コバルト / 不揮発性試料 / レーザー蒸発 / 液体ビーム / 赤外分光 / バナジウム / シクロペンタジエニル |
Research Abstract |
本研究では、不揮発性試料の質量スペクトル測定と、その気相分光を目標として研究を行った。昨年までに、ドラム型の試料固定装置を用いて、シクロペンタジエニル-バナジウムクラスターの質量分析を行ったが、この研究の際、もう少し質量分析に特化した試料固定装置の開発の必要性が生じた。すなわち、従来のドラム型では試料の交換に数時間かかる上、残留試料の影響が避けられない状況であった。複数の試料の質量スペクトルを数分の交換時間で測定できるよう、試料固定部の改良を行った結果、これまでの約10分の1程度の時間で質量スペクトルを観測することが可能となった。 次に我々はこの装置を用いて、溶液中で生成すると考えられている炭化コバルト(CoC_2)の質量分析を試みた。この炭化化合物の合成は、アセトニトリルを溶媒として、塩化コバルト(CoCl_2)と炭化カルシウム(CaC_2)の混合物を200℃で12時間加熱して得られる。得られた固体の反応物を水洗することにより未反応のCoCl_2とCaC_2を除去し、100℃で乾燥させた。このようにして得られた試料は、EXAFS等の実験によりCoC_2クラスターを含有することが確認されている。質量分析によりそのサイズ分布を明らかにしたいと考え、測定を行ったが、これまでのところCoC_2クラスターの信号の観測には至っていない。質量スペクトルには、この反応における副生成物であるアモルファスカーボンの信号が検出されている。観測を成功させるためには、レーザーイオン化を促進させるためのマトリックス剤を測定する系に合わせて適宜選択する必要があり、現在このクラスターの観測のための促進剤を検討しているところである。また本研究では、上記の実験に加え、不揮発性固体試料に適用予定の光解離分光法の有用性を検討するために、気相分子に対してこれを適用し、基礎データの収集を行った。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)