Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Research Abstract |
1.「化学発光物質にホスト機能を導入し,ゲストを指令物質として能動的に化学発光を制御する」という新しい概念に基づき,外部指令感応型化学発光性色素の設計と発光操作に関する研究を行った. 2.化学発光性色素としてロフィンペルオキシドおよびイソルミノール用い,それぞれをアザ-15-クラウン-5-エーテルで修飾してホスト機能を持つ化学発光物質を合成した.クラウンホスト機能を持つ化学発光物質は本研究で初めて合成された. 3.クラウン機能化ロフィンペルオキシド(化合物1)は塩基の添加により黄色の化学発光を示した.アルカリあるいはアルカリ土類金属イオンの存在下に化合物1の化学発光挙動を検討したところ,発光強度は金属イオンのない場合に比べて,ナトリウムイオン存在下で約150%,マグネシウムイオン存在下では70%で,金属イオンの指令に応答して化合物1の化学発光強度が変化することがわかった.化合物1の発光強度は,リチウム,カリウム,カルシウム,バリウムイオンにほとんど影響を受けず,ナトリウムとマグネシウムイオンに対して特異的に応答することを見いだした.また,化合物1の化学発光の発光極大はナトリウムイオンにより約50nm短波長へシフトすることも観測され,発光強度のみならず発光波長も指令物質により操作できる可能性を見いだした 4.クラウン機能化ロフィンペルオキシド(化合物2)は塩基性過酸化水素中,アルカリ金属イオンヨウ化物の添加で,青色の化学発光を示した.化合物2においては化学発光強度に対する金属イオンの効果は化合物1より顕著で,カリウムイオンに対して特異的に応答し,リチウムあるいはナトリウムイオンに比べ発光強度が600〜700%へ増大した. 5.本研究で,当初計画した分子設計により外部指令に応答する化学発光性色素の構築とゲストによる化学発光操作が可能であることが明らかとなった.
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