Project/Area Number |
13740400
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
機能・物性・材料
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
速水 真也 九州大学, 大学院・理学研究院, 助手 (30321912)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | スピンクロスオーバー / 鉄化合物 / コバルト化合物 / 光誘起スピン転移 / 光誘起原子価異性 / 鉄錯体 / コバルト錯体 / 協同効果 / ヒステリシス / 分子間相互作用 / 光スイッチング |
Research Abstract |
光誘起スピン転移(LIESST)化合物は、光スイッチング分子の一つとして知られている。このLIESST現象は鉄(II)化合物において観測されているが、鉄(III)あるいはコバルト(II)スピン転移錯体では、金属配位子間の結合距離やエネルギー障壁の差が小さいことから、LIESST現象を観測することは不可能とされてきた。この研究において強い分子間相互作用(π-πスタッキング)を導入することで、光スイッチングを実現させることを目指し実験を行った。鉄(III)錯体[Fe(pap)_2]ClO_4(Hpap=2-(2-Pyridylmethyleneamino)phenolは、温度に依存し低スピン状態Fe^<III>(t_<2g>^5e_g^0:S=1/2)【tautomer】高スピン状態Fe^<III>(t_<2g>^3e_g^2:S=5/2)間で熱的ヒステリシスを伴い急激なスピン転移挙動を示す。構造解析の結果からも、分子間で配位子がπ-πスタッキングを形成することが確かめられた。この鉄(III)錯体は、LMCTバンドに対応する550nmの光を5Kで照射すると、低スピン状態から準安定高スピン状態へとスピン転移し、現在まで不可能とされてきた鉄(III)錯体で初めて光誘起準安定高スピン状態を80Kまで安定にトラップすることに成功した。 また原子価異性(Valence tautomerism)を用いた光スイッチング分子の構築を目指し実験を行った。コバルト錯体[CO^<II>(SQ)_2(phen)](SQ=3,5-Di-tert-butylsemiquinon, phen=1,10-phenanthroline)の原子価異性は、高スピン状態CO^<II>(t_<2g>^5e_g^2:S=3/2)【tautomer】低スピン状態CO^<III>(t_<2g>^6e_g^0:S=0)間を配位子SQのラジカルが移動することにより熱的に転移し[CO^<III>(SQ)(Cat)(phen)](Cat=3,5-Di-tert-butylcatechol)となる現象である。5Kで低スピン状態[CO^<III>(SQ)(Cat)(phen)]に550nmの光を照射すると、高スピン状態[Co^<II>(SQ)_2(phen)]を長時間トラップすることができ、新たな光スイッチング分子の開発に成功した。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)