Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
平成13年度の研究において,陰イオン交換型高速液体クロマトグラフィー(HPAE)と電気化学検出器(ED)を組み合わせた分析システムによる高性能な糖の分析法を確立するために,クロロメチルスチレン-ジビニルベンゼン共重合体担体(粒径5μm,細孔径270Å)と様々な三級アミンとの反応により四級アンモニウム塩型糖分析用充填剤を開発し,その性能(保持能・分離能)と充填剤の末端官能基構造との相関について検討してきた.その結果,N,N,N',N'-tetramethyl-1,10-diaminodecaneを三級アミンとして用いたジアミン型充填剤D_<10>が保持能・分離能共に高く,単糖・二糖の分析に良好な結果を示した.特に,成人病予防やガン抑制因子としての機能をもつことにより注目されている環状糖アルコールmyo-イノシトールとその異性体の分離・分析を可能にした. 平成14年度の研究では,クルードな分析試料として柑橘類を選び,ジアミン型充填剤D_<10>を用いたHPAE-EDシステムにより,果肉中に含まれる糖類の定量分析を行った. まず,myo-イノシトール・グルコース・フルクトース・スクロースそれぞれの標準溶液を調製し,本法の定量範囲を求めたところ,0.2〜80μg/mLの濃度範囲で良い直線性(r>0.998)を示し,0.5μg/mLにおける相対標準偏差(RSD)は2.7%以下であった. 次に,分析試料として国産柑橘類15種,輸入柑橘類12種の果肉のみを用い,移動相:0.5M水酸化ナトリウム水溶液,流速:0.4mL/minの条件で分析した結果,myo-イノシトール・グルコース・フルクトース・スクロースがいずれの柑橘類に含まれており,25分以内で全ての糖類の検出が可能となった.また,日本において生産されている柑橘類果肉中に含まれるmyo-イノシトール量は,0.7〜2.1g/Lであることがわかった.
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