オオニジュウヤホシテントウ群の寄主範囲の進化に関する量的遺伝学的研究
Project/Area Number |
13740437
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
生態
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
上野 秀樹 新潟大学, 教育人間科学部, 助教授 (10282972)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 食植性 / 宿主植物 / オオニジュウヤホシテントウ群 / 選好性 / 生殖隔離機構 / 遺伝率 / 地域的適応 / 種分化 / 食植生 / 寄生植物 |
Research Abstract |
前年度に引き続き、同所的に生息するヤマトアザミテントウとルイヨウマダラテントウの個体群について、量的遺伝学的な手法を用いて、寄主植物に対する選好性と植物の利用能力について解析を行った。両種間での交雑を妨げている要因と考えられる食草について、寄主範囲がどのように決定されているかを調べ、食草の違いがどの程度有効に生殖的隔離機構として働いているかを研究した。結果の多くは前年度に得られた結果と合致するものであり、研究結果の妥当性を示すものとなった。(1)発育期間と体サイズに現れる両種の生態学的特徴から、各々の食草に対する生態的な適応が見られた。特に、葉を維持している期間の短いルイヨウボタンを利用しているルイヨウマダラテントウでは発育期間や体サイズの遺伝分散が小さく、両者間の遺伝相関は有意に負であった。これらのことは、ヤマトアザミテントウとルイヨウマダラテントウの両種は、各々の食草に適応した別々の分化集団であるということを強く示唆している。(2)両種の幼虫を逆の食草で飼育すると、著しく生存率が低下した。両種の雑種は両方の植物を利用出来ることが分かっており、この結果は野外においても両種間の交雑が殆ど行われていないことを示している。但し、14年に行われた実験では13年度と比較して、より高い割合で両方の寄主を利用できる家族が得られたことから、交雑の程度が繁殖機会毎にばらつくという可能性も示唆された。(3)ヤマトアザミテントウのルイヨウボタンに対する選好性の遺伝的変異はある程度検出されたが、ルイヨウマダラテントウは厳密にルイヨウボタンを選択し、アザミに対する摂食反応は見られなかった。このことが(2)の交雑の低さの原因と考えられた。また、両種の寄主範囲の拡大の可能性は低いが、拡大するとすれば、ヤマトアザミテントウがルイヨウボタンを利用するという方向性が示唆された。これらの結果は、生殖的隔離機構として食草への選好性が効果的に作用しているということを示している。14度に予定していた雑種の作成は、人為的に未交尾個体を越冬させることに失敗したことから実現できず、今後に具体的な遺伝的機構についての課題を残すこととなった。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)