Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
本研究では、これまでの一連の研究で得たミカヅキモの有性生殖に関わる性フェロモン遺伝子を中心に、これらの分子が有性生殖時にどのように協調的に発現制御され、実際の機能に結びつくのかを検討することを目的としている。今年度は、以下のような解析を行った。(1)有性生殖特異的に発現する遺伝子の解析ミカヅキモの有性生殖時に発現する遺伝子群について均一化ライブラリーを構築し、約1000種のESTを得た。それらに加え、約2000種の配列未決定のクローンを用いて、3072スポットからなるDNAマイクロアレイを構築した。得られたマイクロアレイを用いて、有性生殖前後で遺伝子発現レベルの変動が見られたスポットを見出し、その塩基配列を決定したところ、既知の性フェロモンをコードする遺伝子に加えて、ロイシンリッチリピートを持つタンパク質、受容体型プロテインキナーゼをコードすると思われる遺伝子などが新たに見出された。(2)有性分裂を誘導する活性物質の分子生物学的解析有性分裂を誘起する生理活性物質について精製を試みたところ、既知の性フェロモン(PR-IP inducer)と熱安定性、作用に対する光要求性、フェロモン産生条件、分子量などの点において高い類似性が見られたことから、両者の関係を検討するため、酵母を用いて組換え型PR-IP inducerを産生した。組換え型性フェロモンは、PR-IP産生誘導、有性分裂誘起の二つの生理活性を示したが、活性の誘導に必要な時間は異なっており、一つのフェロモンが、異なる誘導機構で複数の生理活性を担っていることが明らかになった。
All Other
All Publications (8 results)