原核・真核光合成生物のチラコイド膜における酸性脂質の役割解明
Project/Area Number |
13740463
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
植物生理
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
佐藤 典裕 東京薬科大学, 生命科学部, 助手 (50266897)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2002: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 酸性脂質 / 真核光合成生物 / 原核光合成生物 / チラコイド膜 / クラミドモナス / ラン藻 / SQDG / PG / PSI / PSII / sqdB |
Research Abstract |
本研究はチラコイド膜に存在する酸性脂質、sulfoquinovosyl diacylglycerol (SQDG)とphosphatidylglycerol (PG)が、光合成系に果たす役割の解明を目的とする。本年度は、ラン藻のSQDG欠損株やPG欠損株、及び緑藻クラミドモナスのSQDG欠損株の光合成系を各々の野生株と比較・解析することにより、以下のことを明らかにした。 (1)ラン藻Synechocystis sp. PCC6803とクラミドモナスでは光化学系IIの活性維持にSQDGを必要とするが、ラン藻Synechooccus sp. PCC7942ではSQDGを必要としない。以上の結果は光化学系II複合体が、SQDGという膜脂質を重要な因子とするよう進化したことを示唆する(発表論文、Minoda et al. 2002)。 (2)クラミドモナスの光化学系IIは、その構造維持に、ひいてはその高温下での安定化にSQDGを必要とする(発表論文、Sato et al. 2003)。 (3)PGは、光化学系Iの構造維持、ひいてはその存在量の維持に重要な役割を果たしている。 一方、植物の酸性脂質合成系を明らかにする目的で、またその存在意義をreverse geneticsにより明確にするため、(4)クラミドモナスからPG合成系の遺伝子CDS1及びSQDG合成系の遺伝子SQD1を単離した。今後は、本研究により得た新しい知見や上記変異株や遺伝子を利用して、チラコイド膜における酸性脂質の役割を更に明らかにする所存である。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)