Project/Area Number |
13740482
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
動物生理・代謝
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
志賀 向子 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90254383)
|
Project Period (FY) |
2001 – 2002
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
|
Keywords | キノコ体 / ルリキンバエ / 嗅覚学習 / 味覚学習 / 視覚学習 / 光周性 / 脳側方部 / 神経芽細胞 / キノコ体神経芽細胞 / ノハラカオジロショウジョウバエ / 細胞譜系 |
Research Abstract |
光周性の神経機構には、光周期情報を蓄積するプロセスがある。情報を一定期間蓄積するという性質は、記憶の性質と似ている。本研究ではキイロショウジョウバエやミツバチの記憶形成において重要であることが知られている脳内のキノコ体に着目し、ルリキンバエの光周性にキノコ体が必要であるかどうかを明らかにすることが目的である。本年度は昨年度に確立した方法を用いて、キノコ体欠損させ、ルリキンバエにおいても学習にキノコ体が必要であるかを調べた。さらに、光周性におけるキノコ体の関与について調べた。 1)嗅覚学習ではサリチル酸メチルとクマリンをもちいて、特定のにおいとショ糖溶液との連合学習を行った。キノコ体を欠損させると、ハエはいずれのにおいも学習できなかった。味覚学習において、ショ糖溶液とキニーネ溶液(回避学習)と食塩水とショ糖溶液(報酬学習)の連合学習を行った。両パラダイムにおいてキノコ体欠損個体も学習は可能であったが、その能力は正常なものに比べ劣っていた。視覚学習では特定の色とショ糖溶液を連合学習させた。その結果、キノコ体欠損ハエと正常個体の学習能力は変わらなかった。 2)光周性を調べるため、20℃-12時間明期12時間暗期(LD12:12)で幼虫、蛹を飼育した。羽化後それらの成虫を20℃の短日条件(LD12:12)と長日条件(LD18:6)に分けて飼育し、羽化後5、7、10、13日目に卵巣発達率を調べた。その結果、キノコ体の無いハエも正常個体と同様に光周性を示した。 以上の結果から、キノコ体は嗅覚や味覚など化学感覚に関する学習には必要であるが、単純な視覚学習には関与しないことがわかった。また、キノコ体は光周性に必要ないことがわかった。このことから、光周性において光周期情報を一定期間蓄積するメカニズムは、記憶形成の情報蓄積における機構とは異なると考えられる。
|