分解溶融型層状酸化物の結晶成長における異方性制御と大型化
Project/Area Number |
13750009
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Applied materials science/Crystal engineering
|
Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
綿打 敏司 山梨大学, 工学部, 助教授 (30293442)
|
Project Period (FY) |
2001 – 2002
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
|
Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
|
Keywords | 結晶成長 / 成長速度の異方性制御 / 浮遊帯域溶融法 / 酸化物 / 浮遊帯域溶解法 / 層状酸化物結晶 / 育成結晶の形状制御 / 分解溶融 / 四楕円型赤外線集光加熱炉 |
Research Abstract |
高温超伝導や巨大磁気抵抗、巨大熱起電力といった特異な性質が、数年来、強相関電子系酸化物で発見されている。こうした物質の多くは、構造的には2次元的な層状構造であり、分解溶融型化合物に属している。単結晶育成の観点では、これらの物質は結晶構造の異方性に起因して結晶成長速度の異方性が極めて大きいため、晶癖が強く現れ、育成される結晶の形状が平板状になりやすい。こうした性質は育成時の溶融帯を不安定にし、育成結晶の大型化、高品質化を困難にしている。 代表者は、結晶成長速度の異方性制御を目指し、四楕円型赤外線集光加熱炉を用いて非等方加熱型浮遊帯域法を開発し、異方的温度分布における結晶成長が調和溶融物質(CuGeO_3)の育成形状制御に有効であることを示した。しかし、分解溶融物質(Bi_2Sr_2CaCu_2O_yやSr_<14>Cu_<24>O_<41>)にこの方法を適用すると育成結晶中に異相が見られた。これは異方的な温度分布などにより物質移動が通常の浮遊帯域方と比べて大きく変化したためである。そこで本研究では育成時の溶融帯の精密な観察と組成分析を行うことで分解溶融物質の非等方加熱型浮遊帯域法による単結晶育成条件の確立を目指した。 当初研究対象とした分解溶融型化合物のうちSr_<14>Cu_<24>O_<41>では、溶融帯観察用のカメラを増設することでその形状制御に成功した。しかし、もう一つの対象物質であるBi_2Sr_2CaCu_2O_8ついては、極めて扁平な形状の種結晶しか得られないために異相の析出を抑制することは困難であった。異相の析出を抑制するために、種結晶の方位を変化させる方法、類似の結晶構造を有する種結晶を用いる方法、通常とは異なる配置(種結晶を上、原料棒を下にした配置)での育成などを試みたが、異相の析出を抑制した安定な結晶成長を行うことは困難であった。そこで、十分な形状の種結晶を得る方法として溶媒移動帯域溶融法を考案し、その方法による育成と育成結晶の評価を行った。 こうしたことから代表者が開発した非等方加熱型浮遊帯域溶融法を用いた育成結晶の形状制御には、適用範囲があることが明らかになった。
|
Report
(2 results)
Research Products
(2 results)