Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Research Abstract |
本研究では,従来,解析手法が確立していなかった迷走電流腐食問題に対し,高速多重極境界要素法と不定条件逆解析手法を併用した,広域埋設構造物の迷走電流腐食を解析するシステムを開発した.研究実績は以下のようにまとめられる. 防食を達成する電極を決定する最適化問題では,繰り返し計算が行なわれる.しかし,問題の非線形性が強い場合,繰り返し回数が多くなり計算時間が莫大になる問題があった. 本研究では,非線形性が強い場合の計算時間を短くするために,高速多重極境界要素法の特徴を利用して効率的な最適化手法を開発した.本最適化問題は,非線形性を持っているため,初期値が最適解と大きく異なると計算時間が非常に多くなる.理想的な防食状態は,与える電流に過不足ない状態で,表面全ての電位および電流密度が,防食電位および電流密度となっている時である.表面全ての電位および電流密度を,防食電位および電流密度とした時,それを実現する電極を設計した.すなわち,本問題を境界積分方程式に理想的な状態の境界条件を二重境界条件として与え,逆に電極の設計変数(電流および電極の位置)を求める逆問題に帰着させた. また,迷走電流腐食を合理的に推定する解析においては,つぎの3点の手法を提案し解析システムに採り入れた. ●幾何的情報や電気伝導度が得られない構造物および地域を仮想境界で囲むことで統一的に解析を行う手法 ●多様な先験情報に対しファジー数を用いることで統一的な表現として取り扱う枠組 ●解析対象とする構造物に能動的に電流を印加し,観測する電位の変化量に注目して,複数の推定量を独立に取り扱う手法 以上の提案により開発したシステムを用いて,埋設構造物表面上の電流密度を定量的に推定するシミュレーションを行い手法の有効性を確かめた.
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