Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2002: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
本年度は,前年度開発した多層サブミクロン薄膜のせん断負荷評価試験装置を用いて,実際のLSIに用いられる薄膜を対象として,界面強度評価を行った.まず,薄膜のせん断はく離強度について力学的に検討した.汎用有限要素コードANSYSを用いて応力解析を行い,界面端部近傍の応力特異場について検討した.開口モード並びにせん断モードのそれぞれについて,破壊は端部の特異応力場に支配されていることを解明することができた.また,実験結果ならびに応力解析結果より,はく離発生条件をじん性値として破壊力学的に評価した.これによって,外部の負荷条件や試験片形状に依存しない力学的なパラメータによる定量評価が可能となる.今回対象とした窒化珪素膜と銅の界面においては,開口モードに比べてせん断モードの強度が非常に小さいことがわかった.これは、各モードについて界面強度を定量的に評価する必要性があることを示唆している. 一方,実際のはく離は膜のコーナー部で発生する.そこで,コーナー部からのはく離を実現するはく離試験方法についても開発した.結果として,はく離はコーナー部から発生し,応力解析の結果からはこれまでの2次元解析により得られた強度とは若干の差異が見られた.より詳細に端部近傍の応力状態を検討した結果,コーナー部からのはく離においては開口モード成分とせん断モード成分の相互作用によってはく離が発生していることが判明した.これらの定量的な評価については今後の課題であると考えられる.
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