Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2002: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
純チタンあるいはチタン合金は生体適合性に優れており,人工骨や歯冠などの生体機能部品に用いられているが,切削や塑性加工が困難な難加工性材料であるため,製造されている生体機能部品のサイズや形状は限られている.そこで本研究では,CADなどの三次元データを利用して直接三次元製品を造形するレーザプロトタイピングを用いて,チタン製生体機能部品を直接製造する方法の開発を目的とする. 前年度に示されたチタンモデルの低疲労強度について,焼鈍,静水圧成形(HIP)等の後処理を行い,疲労強度の向上を試みた.モデルの疲労強度は焼鈍によりわずかな向上は見られるが,依然として低い.HIP処理を行ったモデルは,密度がほぼ100%となり,疲労強度も固体材料と同等の値を示した.造形後のHIP処理が有効であることが明らかになった. また,造形中に生じるモデルの変形および残留応力の測定を行った.造形中に生じる変形は主にレーザ走査方向と平行に生じる.そして,造形後モデル内に存在する残留応力を測定するためにはり状モデルを作成し,切削法により測定した.残留応力分布は,モデル表面付近に最大の引張応力,内部ではほぼ零,基板との接合面付近において引張応力を示すことが明らかとなった.モデル表面の最大引張残留応力は,モデルサイズやレーザ走査速度の影響を受けず,ほぼ同じ値を示した.残留応力の低減には,焼鈍などの熱処理,あるいは各造形層において,造形面を再度レーザ走査を行う方法に効果があることが明らかとなった. さらに,主熱源にYAG,副熱源にCO_2を用いた複合レーザシステムを構築し,造形モデルの精度向上を試みた結果,粉末上に平面を成形する場合,副熱源にて後熱を行うことにより造形中の変形を抑制する効果はみられたが,三次元モデル内の残留応力低減には効果はみられなかった.
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