Research Abstract |
空隙ポーラス物体(ポリウレタンフォーム,網等)を衝撃波管の高圧部及び低圧部管端末に設置して,衝撃波及び膨張波との非定常干渉と圧力拡散効果について調べた.ポーラス物体は圧縮性・弾性を有するポリウレタンフォームと殆ど弾性変形をしない網とした.ポーラス物体の設置方法は(1)フォームを衝撃波管固定端面のみ固着した場合,(2)フォームを衝撃波管内周辺面及び固定端面を固着した場合,(3)フォームを衝撃波管固定端から離し管中間部に設置,管周囲部のみで固着した場合とした.フォームを(1)から(3)の方法で低圧部固定端付近に設置し,衝撃波衝突干渉した場合,(1)状態:固定端ではステップ状の圧力変化は見られず,フォーム骨格固体の慣性力がフォーム後端に応力波として作用した後,減衰し反射衝撃波の圧力に向かう.(2)及び(3)状態:入射衝撃波がフォーム前縁に衝突した時,フォーム内に貫入した衝撃波がフォーム骨格固体の非定常抵抗により強い圧力拡散効果を生じる.衝撃波とポーラス物体がなしえたインパルス(I=∫Pdt)と拡散効果係数K_aより,(3)状態では剛体壁反射と比較して,各係数が約70%に減少し入射衝撃波の拡散効果がある事を確かめた.1次元圧縮性固気混相流近似でCFD計算を行い,空間微分を3次精度MUSCL型簡略化流束分離法,2次精度ルンゲクッタ法で時間積分した.フォームの計算モデルは気流中に相対速度をもち,浮遊して相互に干渉抵抗を持つ弾性構造体と仮定した. CFD計算結果は各種空隙率ポーラス物体(フォーム)の衝撃波衝突干渉実験と良く合致した.相互干渉抵抗はDarcyの粘性の影響は殆ど無く,慣性力の影響が大きくなる.膨張波衝突干渉では,高圧部固定端のフォームの膨張,圧縮により,低圧部固定端への膨張波の伝播が遅くなる事が分かった.
|