Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Research Abstract |
平成14年度においては,まず直列補償型潮流制御器の試作を行った。本研究で提案する直列補償型潮流制御器は直交磁心型可変インダクタとコンデンサを並列に接続して構成される。これを系統に直列に挿入し,直交磁心の実効的なインダクタンスを調整すれば,系統の線路インピーダンスが変化し,系統を流れる電力の大きさと向きを制御することができる。上記のシステムを構成し,実験を行ったところ直交磁心の実効的なインダクタンスを調整することで,容易に電力の大きさと向きを制御可能であることが確かめられた。 一方,一般に直交磁心型三相可変インダクタを系統に適用する際には,非線形磁気特性に起因する第3調波電流を還流させるため主巻線は三相デルタ結線されるが,この潮流制御器では直交磁心の主巻線は系統に直列に接続されるため,三相デルタ結線することができず,そのため第3調波電流が系統に流れ込んでしまう問題が生じる。これに対して,筆者は直交磁心の制御電源用巻線に用いられている三次巻線を三相デルタ結線することで,第3調波電流の低減が可能であるか検討を行った。その結果,低減率は三次巻線の巻線抵抗と系統の線路のインピーダンスの比で決まること,一般に巻線抵抗は線路インピーダンスに比べて十分小さいことから第3調波電流は実用上問題の無いレベルまで低減可能であることを明らかにした。また,三次巻線に吸収された第3調波電流は整流され,制御巻線の直流励磁用電流として用いられるため,効率の低下もほとんど無いと考えられる。 上記の考えに基づいた潮流制御器を構成し実験を行ったところ,出力電流波形がほぼ正弦波で,良好な制御特性を有することが明らかになった。 以上により,直交磁心を用いた潮流制御器に関する研究はほぼ所期の目的を達成できたものと考えられる。
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