半導体微小共振器中の励起子ポラリトンのエネルギー緩和過程の研究
Project/Area Number |
13750263
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Electronic materials/Electric materials
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
熊野 英和 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (70292042)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | II-VI族半導体 / エネルギー緩和過程 / 微小共振器 / 自己組織化量子ドット / LOフォノン / キャビティポラリトン / ラビ分裂 / 励起子ポラリトン / II-VI族化合物半導体 / エネルギー緩和 / CdS |
Research Abstract |
フレーリッヒ相互作用による縦光学フォノンとの相互作用が大きなII-VI族半導体の量子ドット構造上のエネルギー緩和過程を連続光場中で検討を行った。更に、光波長程度のサイズを持つ微小な共振器構造を導入することで光場を離散化し、その内部での励起子と光場の相互作用の研究を行った。連続場中においては、ZnSe上にMOVPE法により形成した平均ドット高さ1.7ML〜6.6ML(密度約2x10^9cm^<-2>)のCdS自己組織化量子ドット構造を用いて発光及び励起スペクトルを測定した結果、発光スペクトルの励起波長依存性より、エネルギー的にフォノンと結合可能な準位を持つドットにフォノン放出過程による高速な励起子の分布が生じること、また、励起スペクトルにより検出するエネルギー(ドット集団の中から特定のサイズを持つドットを選択することに対応)をチューニングして緩和効率を検討した結果、励起子とLOフォノンに結合強度はドットサイズに強く依存し、より小さなドットの場合に高効率なエネルギー緩和が生じることが判った。更に、CdS自己組織化量子ドットをDBRミラーを含めた全構成要素をII-VI族半導体で形成した微小共振器構造の電場振幅の最大部分に埋め込んだ構造を形成し、その発光スペクトルを共振器モードとドット発光との離調度の関数として測定及び解析した結果、約3meVのRabi分裂を明瞭に観測した。これは量子ドットと共振モードとの間の強い結合を示す初めての成果であり、II-VI族半導体における振動子強度がIII-V族半導体に比べて約200倍増大するとの理論的予見に基づき実現されたと解釈される。これらの成果は、キャビティポラリトンを利用して無閾値VCSELへ道を拓くものであり、今後更なる高性能化を図るべくより励起子-光場相互作用を増進出来る3次元的な光場の閉じ込めが可能な高Q値を有するピラミッド型微小共振器への移行を目指していく。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)