Project/Area Number |
13750270
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Electronic materials/Electric materials
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
吉田 隆 名古屋大学, 工学研究科・エネルギー理工学専攻, 助手 (20314049)
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 高温超伝導体 / 薄膜成長 / 成長形態 / 超伝導線材 / Vapor-Liquid-Solid成長 |
Research Abstract |
【はじめに】 我々は、REBa_2Cu_3O_<6+y>(RE:RE元素)酸化物系超伝導膜の中で、特にRE元素にSm元素を用いたSmBa_2Cu_3O_<6+y>薄膜(SmBCO)が超伝導線材用超伝導材料として期待できることを確認してきた。しかし、通常作製するPLD法では約10nm/min程度を越える速い成膜速度で作製した薄膜では、目的相(c軸配向相)以外の異相(a軸配向相)が生成するため高い特性をえることができなかった。 本年度、超伝導線材への応用を念頭に、高い結晶性をもつSmBCO膜を得るために、PLD法によりVLS成長SmBCO薄膜を作成し、結晶性、超伝導特性の評価を行ってきた。VLS成長膜は、通常のPLD法により作成したSmBCO膜と比較して、高い結晶性を持ち、幅広い条件下でc軸配向を得ることができ、T_cに関しても90K以上の高い特性が得られている。本報告では、臨界電流密度J_cの膜厚に対する依存性、及び成膜速度の高速化などについて述べる。 【実験方法及び結果】 MgO基板上にPLD法(ArFエキシマレーザ:λ=193nm)でc軸配向SmBCO (seed layer:10nm)、Ba_3CU_7O_y (15nm)、SmBCO (300nm)の順に作成し、さらに350℃-3h(酸素気流中)でアニールをし、SmBCO薄膜を得た。Ba-Cu-O液相中の組成比は、高温低酸素条件下で安定に液相として存在するBa:Cu=3:7とした。 レーザ周波数により蒸着レートを変化させたときの膜厚約500nmでのJ_c測定及び結晶性を検討した結果、周波数をあげることにより、結晶性の向上とともに、J_cの値の向上が確認された。これは、周波数増加に伴い、Sm原子の供給がパルス的から擬似連続的に近づき、Ba-Cu-O中のSm濃度の変化が小さくなったため、結晶性が向上したのではないかと考えられる。これにより得られた77KにおけるJ_cの最大値は約1×10^6A/cm^2と高い特性であった。さらにターゲット-基板間距離を短くすることによりSmBCOの供給量を増加させることで、約320nm/minまで成膜速度の高速化を実現した。レーザ装置の原料供給量の限界であるため、上記の成膜速度までしか確認することができなかった。そのため、さらなる装置の改良などにより供給量を増加することにより、VLSプロセスを用いた超伝導膜の成膜速度としてはより速し成長が期待できる。今後、高速成膜で得られたSmBCO膜のJ_cの膜厚依存性及び磁場中でのJ_c特性に関しても検討する。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)