Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
これまで発振器の結合系に見られる相互同期現象について,物理,科学,生体系のモデルとして盛んに研究が行われてきた.近年この発振器の結合系をメモリやニューラルネットワークへ応用しようとする試みが報告されるようになった.このことから申請者はこれまでに様々な発振器を1つの抵抗で星形に結合した回路に見られる同期現象を報告してきた.本システムでは各発振器の位相がずれて同期するような現象が見られるため,非常に多くの異なる安定状態を得ることができる.さらにこのような星形結合システムを拡張した結合発振器ネットワークを提案しそのメモリやニューラルネットワーク等への応用の有用性を示してきた.しかしながら今のところ,上記システムのこのような工学的な応用に関しては,具体的な手法が十分確立されていない.そこで本研究では,上述してきた結合発振器ネットワークを実用化すべく改良していくことを目的とする. 本年度は前年度に得られた結果をふまえ,前年度に設計した過渡状態の継続時間や素子数を少なくしたシステムを実際に回路実装を行い動作させることにより,システムの動作を確認することを中心に検討を行った.また,結合発振器システムに見られる,位相パターンの制御法について,回路にパルスを加えるなどの操作をすることで位相パターンの変化が見られることを確認し,さらに,パルスを加えるタイミングを変えることで,どのような位相パターンが得られるかを詳しく調べ,回路の安定状態を制御するための足がかりとすることができた.これらの結果から提案システムの実用性を,より具現化できたものと考えられる.
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