Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Research Abstract |
近年,TV会議や対戦型ゲームのような多人数で利用するマルチメディアアプリケーションを,そのQoS(Quality of Service)を保証した形で実現することが望まれているが,これまでに多対多通信の経路制御を高速かつ効率的に実現する方式は提案されていなかった. そこで本研究では,通信参加者がそれぞれのネットワーク上の代理人であるエージェントを利用して,相互に協調しながら経路を生成する手法について検討した.その結果、各エージェントがそれぞれ独立に生成した経路を相互に伝達し,経路の集中を発見した場合,それを解消するよう経路を修正することによって,処理時間の増大とトラヒックの集中の両方を回避する方式を提案した.ここで,エージェント間の情報交換やその後の経路修正に要する処理量が大きくなると,全体としての処理時間が増大してしまうため、これらの協調作業は可能な限り少量に抑えられなければならないが,本研究では,まず各エージェントが最初に経路を生成する時点で、後の経路修正の可能性を考慮して要求されたQoSを満たす範囲で迂回路を用意しておくことでこの問題を解決した. 性能評価として,まず,提案方式の最悪時間計算量を導出し,これが1対1通信の経路制御に要する計算量と同等であることから,その実用性を示した.更に計算機シミュレーションによって提案方式を評価したところ、消費する総ネットワーク資源の増加を1%程度に抑えながら,トラヒックの集中するリンクの数を40〜60%削減できることが分かった. 本研究の成果は,次世代通信サービスで必要となる大規模な多対多通信を高速かつ効率的に提供するための経路制御手法の確立に大きく貢献するものである.
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