Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
|
Research Abstract |
インターネットにおいて信頼性のあるパケット配送を保証するTransmission Control Protocol (TCP)は,パケット損失が主として輻輳に起因する有線ネットワーク上で適切に作動するように設計されている.しかしながら有線無線ネットワーク上では,無線の通信品質の変動によってもパケット損失が発生し,結果としてTCPスループットが過度に低下することが知られている.そのため過去の研究では,有線無線ネットワーク上でのTCPの性能を改善するために,リンクレイヤプロトコルレベルでのARQやFEQによるエラー回復手法やTCPコネクションを分割して無線側ロスに対処するsplit connection方式,snoopプロトコル方式などが考えられてきた.しかしながらこれらの方式はルータや無線基地局の改良を必要とし,方式普及の観点からあまり好ましくない. そこで本研究ではエンド・ツウ・エンドレベルの改良として,TCPプロトコル自体の改良によるスループット向上を試みる.具体的には,ネットワークの利用可能帯域をACKの到着間隔を基に推定し,輻輳制御に利用することで,無線ネットワークの変化に適応した輻輳制御を可能とし,スループットの低下を防止する.帯域推定においては指数加重平均フィルタを用い,フィルタ中のパラメータを動的に更新することで,ネットワーク状態の急激な変化に対する敏速な転送レートの追従制御,およびWebドキュメントのような小サイズファイル転送に対応する. 比較の対象として代表的なバージョンであるTCP RenoとTCP Westwoodを考え,シミュレーションを通じて提案方式の有効性を定量的に検証した.その結果,無線側で高いパケットロスが発生する場合と小サイズファイル転送の場合の両方において,提案方式が他の二方式よりも高いスループットが得られることが判明した.
|